インタビュー対象者:株式会社Seai 代表取締役 属佑太(さっかゆうた)

インタビュアー兼ライター:株式会社Seai 広報


起業のきっかけ:自らの手で会社を運営してみたいという軽い気持ちだった

「次に何をしようかな?」— 入社して1年半後のある日、ふとした疑問が湧いたという。この瞬間が、彼にとって人生の大きな転機となった。前職では、子会社の運営やグループ会社の立て直しに携わるなど、経営の現場を間近で経験していた。自分でも同じように、会社をゼロから立ち上げて運営できるのではないか。そんな強い想いが、ついに彼を起業へと導いた。

「起業の決断は、考えていた以上に感情的なものでしたが、自分で会社を動かすことに強い興味がありました。挑戦の一歩を踏み出すことに迷いはなかったですね。」

彼が描いていたのは、単なるビジネスモデルの成功ではなく、自らが感じた挑戦の喜びと、その先にある成長だった。しかし、起業後にはすぐに現実の厳しさに直面する。


最初の試練:ゼロからの事業立ち上げと共同創業者の退職

起業してすぐに、彼を待ち受けていたのは厳しい現実だった。ゼロから事業を立ち上げる難しさ、そして起業当初に予期せぬ出来事が彼を襲う。

「実際に起業してみると、自分がいかにいろんな方に支えられていたかを痛感しました。それまでサポートしてくれていた多くの人の存在が、どれほど大きかったか気づかされましたね。」

その上、創業からわずか1ヶ月で共同創業者が病気により退職を余儀なくされるという予期せぬ事態に直面した。「共同創業者がいなくなったことは本当に大きなショックでした。会社をどう立て直すか?毎日が試行錯誤の連続で、正直、10kg近く体重が落ちました。」

チームの立て直しと事業の維持という大きな責任を負い、彼はやるべきことに全力を注いだ。

「戦略があったわけではありません。ただひたすらに、やるべきことを淡々とやり続けました。モチベーションの源は、僕を信頼してくれた取引先や関係者を裏切れないという気持ちだけでした。」

この経験が、彼をさらなる成長へと導いた。


感動体験を生み出すオーディションマーケティング

彼の起業後の事業の中核となったのが、「オーディションを通じたマーケティング」である。企業との提携を通じ、さまざまな分野で挑戦者を募り、参加者の夢の実現をサポートするこの仕組みは、単なるビジネスではない特別な価値を生み出している。

「オーディションという形式をとることで、参加者にとっても夢の実現の機会となるんです。もちろんグランプリは1名しか選べませんが、参加者から『悔しい思いをしたけれども、このオーディションに出会えて、挑戦して成長できた』と言ってもらえた時は、本当に嬉しかったですね。」

これが彼にとって大きなモチベーションの源となった。挑戦者たちが自らの限界に挑み、自己成長を果たしていく姿を見ることで、「ただ自分で会社を運営してみたいという気持ちから、起業した意味、何を成し遂げたいのかが全て繋がっていきました。」